top of page

PAST EXHIBITION

Anthropocene.JPG

Luminous Beings
牧田 愛 | Ai Makita

2021. 11 / 20 sat. ––– 12 / 5 sun

OPEN 11:00 – 19:00 

CLOSED  ( tue. / wed. )

Past Exhibition

この度、haku kyotoでは牧田 愛による展覧会「Luminous Beings」を開催致します。

牧田は身近にあるバイクや車のパーツ、工業製品や機械部品などを撮影し、それらをデジタル上で合成して一つのイメージを作ってから、そのイメージを元にキャンバスに油絵の具で絵を描き出しています。細部まで緻密に表現された質感は、手で描かれた絵画だということを疑ってしまうほどです。しかし間近で見てみると精巧ながらも筆の跡があり、確かに描かれていることがわかります。デジタル上で作られた仮想のイメージが、彼女の手によってアナログに描かれることによって、硬く冷たい印象の金属が命を吹き込まれたかのように、生きて動いているようにも見えてきます。

 

昔からSF映画などで、機械やロボット、AI(人工知能)と人間の関係がテーマに取りあげられてきました。そこには、機械が意志を持ち、人と協力したり、はたまた対立したりと様々な物語が描かれています。その中で、ロボットが痛めつけられているようなシーンがあった時に、人や動物が同じような状況になった時と同様に、私は目を背けたくなり、心が痛みます。無機質で命はないとされているものに対して、このような感情が生まれるのは、どうしてでしょうか。

 

私たち日本人には古代から現在まで、自然万物に神様が宿るとする八百万の神の考え方があります。あらゆるものに霊魂を認め、それを畏怖・崇拝するアニミズムの視点で考えると、機械やロボットたちにも魂はあると捉えられるのではないでしょうか。

近年の科学や技術の発達により、AIやロボットなどのテクノロジーがSFの話ではなく、現実世界でも身近なものになってきています。想像上の話ではなく、機械が意志をもち始めた時、私達はどのように接していくのでしょうか。

 

牧田の作品と対峙するとき、人間と技術の関係、生命と非生命の境界など、現代社会を映し出すようなテーマが想起されることでしょう。

本展には牧田のこれまでの制作スタイルである精密な絵画作品に加えて、3Dプリントを使った絵画、映像作品など、さまざまな技術を取り入れた新作が並びます。一つ一つの作品から放たれる生命の光に目を凝らしながら、じっくりとご覧いただければ幸いです。

- haku director 渡邊 賢太郎

 

 

牧田 愛 | Ai Makita

1985年千葉市に生まれ。2013年東京藝術大学大学院芸術学専攻美術教育研究科修了。

東京とニューヨークで活動し、機械や金属類、プラスティックなどの人工物をモチーフに描く画家。無機的なモチーフで有機的なイメージを創造し、人工と自然、デジタルとフィジカル、二次元と三次元の境界はど

こにあるかをテーマに、人の感覚を揺さぶる作品を作り続けている。2013年に東京藝術大学で修士号を取得し、最近ではニューヨークのレジデンスプログラムに参加し、その滞在期間中に在ニューヨーク日本総領事館での展覧会アーティストに選ばれ、2ヶ月のあいだ作品が展示される。以来、東京とニューヨークの二拠点にアトリエを持ち、活動と発表を続けている。テラダアートアウォード(東京)、岡本太郎現代芸術賞(川崎)、ポーラ美術振興財団助成(東京)、ART CAKE(ニューヨーク)、Varda Artist in Residency(サウサリート)など、数々の受賞、助成、レジデンスへの参加の機会を得ている。

 

HP : https://ja.ai-makita.com

Instagram : @ai_mkt

bottom of page