PAST EXHIBITION
家家 | HOUSES
蓮井 元彦 | Motohiko Hasui
2021. 9 / 17 fri. ––– 10 / 17 sun.
OPEN 11:00 – 19:00
CLOSED ( tue. / wed. )
Past Exhibition
2020年からの新型コロナウィルス感染症の流行により、人々は移動が制限され、必要最低限の外出やテレワークなどで、家から出ることも少なった。
撮影で様々な土地を飛び回っていた蓮井も家の近所で過ごす時間が増えた。それから、今までは近すぎて見落としていた身近なものに対する興味が増し、「家」もその対象の一つだった、と彼は話す。
彼は、「いつも歩いている道で自然に視界に入る場所から記録する」というルールを設け、普段は何気なく通り過ぎていた近所の家を観察し記録した。記録という特性上、感情を写し込まないように、フィルムに比べ、冷淡で見たままに写る中判デジタルカメラを使用し、肉眼のパースペクティブに近い80mmレンズで撮影している。
しかし、そこには「記録」としての写真ではなく、その家に住む人々のポートレートとも言える写真が現れている。壁や屋根、門構え、庭の植物、装飾品、置物などから、それぞれの個性や情念が見て取れる。自分の家ではなく、他人の家だからこそ感じる独特なセンスや違和感もあるだろう。それぞれの家の中を見るよりも、その外面や表層にこそ、住んでいる人の内面がはっきりと表れているのかもしれない。
- 展覧会キュレーター 渡邊 賢太郎
1983年生まれ、東京都出身。2003年渡英。Central Saint Martins Art and Design にてファン デーションコースを履修した後、London College of Communication にて写真を専攻。2007年 帰国。国内外の雑誌や広告などで活動するほか、作品制作を行う。2013年、自身初となる 写真集『Personal Matters』をイギリスのパブリッシャーBemojakeより発表する。主な写真 集に『Personal Matters』、『10FACES』、『10FACES 02』、『Personal Matters Volume II』、『Yume wo Miru』、『Deep Blue – Serena Motola』、『吉岡里帆写真集 so long』、 『for tomorrow』などがある。また、2019年にはG20大阪サミットにて京都・東福寺で行わ れたTea Ceremonyに際し制作された図録の撮影を手がけるなど活動は多岐にわたる。