PAST EXHIBITION

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2022. 3 / 26 sat. ––– 4 / 3 sun

OPEN 11:00 – 19:00 

CLOSED  ( tue. / wed. )

Past Exhibition

この度 haku kyotoでは、ニシクボ サユリの個展「OVERCOME」を開催致します。

ニシクボは、ファッションや漫画·映画などのカルチャーからの影響を受け、2017年よりモノクロの線画のスタイルで描いています。ペンのみで、シンプルでスタイリッシュに仕上げる作品は白と黒のコントラストでありながら、ポジティブな印象を与えてくれます。そこから、近年はアクリル絵の具を使い、スタイルを維持しながらも、さらに描き込む作品へと変化しています。今回は、このキャンバスにアクリルで描いた作品シリーズを発表します。

 

彼女の作品の中で、白黒の世界の中に浮かび上がる言葉や文章も特徴的な一つです。様々なカルチャーのビジュアルからの影響もありますが、彼女は言葉が人に与える力にも興味を持ち、積極的に作品に取り入れています。近年のインターネット社会·SNSの発展により、人々は多様なビジュアルと文字を日々見ています。その中で、発信しているのはどこの誰かはわからなくとも、ビジュアルと言葉から伝わるものは、瞬時に人の目や心を惹きつけています。また、誰が言うか、どこで目にするか、どんな状況で発するか受け取るか、環境によって意味や影響は多種多様に広がります。彼女のモノクロの世界の中に登場する人物や言葉も、作品と向き合った時の鑑賞者の気持ちや状況によって変化するでしょう。

 

今回の展覧会で新しく発表するシリーズでは、一見すると抽象画のような作品もあります。このシリーズは、キャンバス上に文字を描いたアクリル絵の具が乾いて定着するよりも早く文字をかき消すように上書きすることで生まれています。このプロセスでは、計画的に文字を消すというよりも、身体の動きと速さに身を任せ、絵に対して受動的な感覚で描かれています。これらは、現代の情報の流れゆく速さとリンクしており、大量の情報とそのスピードによって忘れられてしまう、消えゆくものがあることを私達に痛感させてくれます。その反面、表面上に現れていなくとも、何かがそこに存在したことは事実であり、それが人々の心や記憶に秘めている大切なものにもなりうるのではないでしょうか。

 

そして、展覧会タイトルである「OVERCOME」には、打ち勝つ·克服する·乗り越える、といった意味があります。これは彼女自身が、自らに課している部分も大きいテーマと話しています。今回の展覧会で、画面の中に幾層にも描き込まれた表現へと変化したニシクボ サユリから、新たな一面を見いだす作品と出会うことができるでしょう。その作品たちから受ける影響が、私たち鑑賞者それぞれの今の状況を「OVERCOME」するポジティブなものになることを期待しています。

 

- haku director 渡邊 賢太郎

 

 

 

 

◯ ニシクボ サユリ | Sayuri Nishikubo

 

1988年三重県生まれ。看護大学卒業後、看護師として勤務しながらグラフィックデザインを独学で身につける。漫画の模写から着想を得た線画のイラストレーションが徐々に注目を集め、パッケージデザインやアパレルなど様々な企業とのコラボレーション行う。近年ではアクリルガッシュで描くモノクロのペインティング作品に挑戦しており、東京をを拠点に国内外での展示活動を行う。

 

Instagram : @sayurinishikubo