PAST EXHIBITION
安野谷 昌穂 | Masaho Anotani
「 Parallel Over Runner |
氾濫するどうでもいい事に住む、 全体としての私 」
2023. 3 / 3 fri ––– 3 / 19 sun
OPEN 11:00 – 19:00 金・土・日
※月・水・木はスタッフ不在ですが、ご自由にご覧いただけます。
[ event ]
ドローイングワークショップ(作家在廊時)
お持込の布物にドローイングいたします。
即興的なドローイングコミュニケーションをお楽しみください。
[ opening reception ]
3月3日(金)18時-21時
作家在廊
飲物 @bistro.enishi
Past Exhibition
私が私を
跨いで乗り越えて行けよ
積み重なる古新聞のような世界に取り残されるな
未知なる道 先頭を行くものは
最高の一人ぼっちになって
無限に広がる円となる
点では無く天となり 全体となって覗き込めば
私はその他の私と常に溶け合いながら反応し
抵抗し選択しながら 斜め上に進むのだ
どうでもいいものの薮と いのちの蕾とが 混生する林の中を進む私
続く眠れない夜が 朝日を遠ざける
突き刺さる棘はハートから抜け落ちないまま
ただひたすらに進むことに疲れる
呼吸をしようと立ち止まり
ハートを覗き込む
誰のための今この瞬間なのか 目を瞑れば見えてくる風景を そう 思い出して
本当に昇る太陽は私の中に存在していて
常に大きく照らしている
陽の下では棘だって溶けてなくなる
大体のことなんてどうでも良くって 消え失せる
私自身の影に吸い込まれてしまうところだった
ありがとう
光が残って波打って
呼応する輝く小さな粒たちは
花
咲いて
想像して
私の光で花が咲くところを
“Parallel Over Runner|氾濫するどうでもいい事に住む、全体としての私”
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この度、haku kyotoでは安野谷昌穂の個展 “ Parallel Over Runner | 氾濫するどうでもいい事に住む、 全体としての私 ” を開催致します。 安野谷は兵庫県生まれ、京都精華大学とオランダのヘリット・リートフェルトアカデミーでアー トを学び、現在は国内を拠点に活動する美術家です。 彼の作品はドローイング、ペインティング、コラージュといった様々な技法で描かれています。 京都で8年ぶりとなる本展では、過去のアーカイブと新作を発表致します。
幼い時から自然の中で遊ぶ事に夢中であった安野谷が、京都、オランダ、東京と渡り歩いた後に選んだ場所は自然に恵まれた小さな集落でした。自然は彼にとって、子どもの頃のように無我夢中になれたり、呼吸を整えたり、まるで聖域のような場所なのでしょう。無邪気な感覚で何色かとさえ選ぶこともしない、それは頭の中にある、触れることもできない、見ることもできない、感じることしかできない衝動をただ形にする。 それを彼は、宇宙のように大きく広がる自分自身の領域とそこから瞬時にパッと下ろす先に手があって足があり、彼は体をパイプよう なものと表現する。描いたり、遊んだり、削ったり、手数を反復させる信号を繰り返し発信し、パイプを通して一つの面上 ( 紙、パネル、キャンバス ) へ と出力しながら、瞬く間に感じたことを遊びのように反映させ作品が構成されています。常に新鮮な感覚を持つことを意識する安野谷の作品は、彼自身のドリームランドであり、"感覚の軌跡" でもあります。不在 ( 頭中に内在 ) から存在へと変わる瞬間、経験、時間、衝動の重なりが素直に反映されている作品たちは、私たちにとって曖昧となりつつある感覚を思い出させるでしょう。
安野谷は、作品はまだ未完成であり、鑑賞者との会話によって生まれる体験によって完成へと近づく。と言う。 私たち人間の特権でもある言葉遊びを自由に行っていただき、人と人とが作品を通じて感じた事を共有する時間になる事を期待しています。
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安野谷 昌穂 | Masaho Anotani
1991年兵庫県生まれ。 国内外での個展やグループ展に参加。日本を拠点に活動中。幼少期から現在に至るまで自然の中で多くの時間を過ごし、その中で得た観察や感覚に強く影響を受けながら、絵画、ドローイング、コラージュ、パフォーマンス、写真などを使った作品を発表する。コラボレーションワークとしてZUCCa (2015-16 A/W)やCOMME des GARCONS SHIRT (2016-17A/W)などがある。アートブックに「STEIDL - WERK No. 23: MASAHO ANOTANI "DEFORMED"」がある。
Web: https://masahoanotani.com
Instagram: @masahoanotani